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中規模病院技師
心エコー図検査従事者のための新型コロナウイルス感染対策について
東京,大阪での感染拡大による患者受け入れ施設とは別に,感染患者を公に受け入れていない施設の対応事例として心エコー図検査における以下の感染予防対策を行っています.
感染者が多くない地域では,エコーオーダーについて院内でも臨床側の認識が浅く従来のように簡単にオーダーされるケースがあるのでないかと思います.
オーダーを受ける側の比較的弱い立場の検査技師を守るためにも参考になればと思います.
なお,修正やご指摘など御座いましたらご教授戴けますと幸いです.
近々で報告されておりますように感染経路が不明な感染者が圧倒的に多くなっていることを踏まえCOVID-19流行時の感染対策を講じました.
先行して公示された日本超音波医学会やアメリカ心エコー図学会よりも具体性のある日本心エコー図学会による「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時における心エコー図検査に関わる医療従事 者感染防護と院内感染予防に対する提言」の「超音波検査のトリアージ」を参考に,当院の感染制御部に説明し診療科に周知するようお願いしたことにより,4月20日に病院長から「各学会から提言されている診療行為について、各診療科でご検討いただき、制限(延期または中止)が必要な場合は、患者及び院内スタッフに説明・周知を行った上で実行していただきますようお願いします。」と注意喚起されております.しかし,エコー室は技師が自ら感染予防しないと誰も予防してくれないため,4月7日より以下の予防策を急遽行っています.
検査することによる感染拡大と検査担当者の安全を優先し以下の対応に変更しました.
1.検査室内の常時換気の徹底(安全面を考慮してドアを開ける.窓を開けるなど)
2.超音波検査,肺機能検査,トレッドミル検査の消毒の徹底(患者が(に)触れる器具の消毒)
特に,超音波検査の消毒は,4月6日に公示されたJSEによるCOVID-19 の指針第1報(現在は第2報がULされています)に基づいて行っています.
日本心エコー図学会ホームページ http://www.jse.gr.jp
topページの
2020-04-14【重要】新型コロナウイルス感染症に関する学会からの提言(第2報) からダウンロードできます.
1)超音波ルーチン検査における対応
①.COVID-19感染の疑いが低い場合
変更前
・検査室で検査施行
・サージカルマスク着用
・木綿のシーツと,枕カバーを使用
・検査終了後プローブをスキッドクロス(ベンサルコニウム含有)で消毒(低水準消毒薬)
・大容量のエコーゼリーを継ぎ足して使用(洗浄乾燥毎)
変更後
・事前カルテ確認(疑わしい場合は主治医に連絡し延期あるいは中止の要請)
・検査室で検査施行(変更無し)
・サージカルマスク着用(変更無し)
・ディスポシーツに変更
・ディスポ手袋着用し毎回交換
・検査終了後,プローブと心電図電極を71%以上のアルコール(中水準消毒薬)あるいは0.6%以下の次亜塩素酸ナトリウムで消毒
・終業時には超音波装置パネル,プローブ,心電図電極を71%以上のアルコール(中水準消毒薬あるいは0.6%以下の次亜塩素酸ナトリウムで)で消毒
・個装エコーゼリーの使用を検討中
②COVID-19感染の疑いがある場合
変更後
・基本的には検査は行わないか延期を要請
・隔離部屋で検査を施行
・ガウン着用
・N95マスク着用
・フェイスシールド着用
・サージカルキャップ着用
・ディスポ手袋着用
・プローブはビニールカバーなどで保護
・心電図電極はディスポ電極を使用
・エコーゼリーは必要分事前に用意し廃棄
・検査終了後は超音波装置パネル,プローブ,心電図電極をディスオーパで消毒
感染者を検査する場合,装置の感染対策に日本心エコー図学会からの動画が非常に解りやすく参考になります.
日本心エコー図学会ホームページ http://www.jse.gr.jp
topページの
2020-04-27「感染例/あるいは感染疑い例の心エコーを行う場合の感染予防」の動画が追加されました 内の
「TTE感染対策について」「TEE感染対策について」
から閲覧できます.