OSAKA心血管エコー研究会公式ブログ    HP: http://osakacvecho.com

当会は超音波技術と知識の習得を目的とした研究会で、 実地臨床にすぐに役立てることができるセミナーやカンファレンス形式の自由参加型の勉強会です。

平成26年度 第6回(12月5日 金曜日)終了

今年最後の研究会が終了しました.急な寒波にも関わらずご参加くださいました方々にお礼申し上げます.10年近く前までは,僧帽弁逆流(MR)の治療は弁置換が主流であったので,重症か否かの評価で良かったのですが,弁形成術が主流となった今では,MR重症度と等しく,MRの機序が非常に重要になってきました.日本循環器学会ガイドラインの僧帽弁逆流における治療診断フローチャートでは,MRの機序が一次性(器質性)と二次性(機能性)に区別されており,まず両者を鑑別することが余儀なくされています.すなわち,MR重症度の評価は二の次になります.今回の主題の僧帽弁逸脱は,弁形成術の適応となることが多い器質性の病態です.先に述べたガイドラインでも,MR診断と重症度評価に必須の画像検査は経胸壁心エコー検査であると提唱されているので,外科にダイレクトに届く心エコー所見の責任は軽くないですね.今回のご講演いただいた藤田先生が最も伝えたかったことは,大阪労災時代に心臓外科部長から『もし君が心臓外科医ならどの様な術式を選択するのかを考えながら検査をして下さい.そして、それを基に私たちは手術を行います。』と言われたことが,エコーの責任の重さと同時にエコーの楽しさを教えてくれるものになったと言っておられました.それを裏付けるように,今回も会場からいくつかご質問いただきました.それだけ責任を感じていただいていると思えました.ご質問にもあったように特に交連部の逸脱についは難しいですね,経胸壁心エコーで交連部を確認することは困難のため,逸脱部位が前尖由来なのか,後尖由来なのかを,逆流方向や短軸断面や心尖部2腔断面などから判断することが重要だと思います.私もこの辺りは勉強中のため.今月開催されます日本超音波検査学会「124回医用超音波講義講習会(関西地区)中級者対象講習会:疾患を極める!」

http://www.jss.org/committee/academic/list.htmlで,著名な先生をお呼びしておりますので明らかにしたいと思っております.しかしながら現時点では満員御礼となっており今からでは参加できませんが,有益な情報が入りましたらお伝えしたいと思います. 普段のお悩みがみんなの悩みですので,このようなご質問は会場におられた方々も勉強になったと思います.恥ずかしがらずに是非質問をしてください.幹事をしておきながら,皆様方の質問で学ぶことはたくさんあります.解っていることはお答えしますが,解らないこともあるかと思いますので,そんなときは皆様方の知識をいただければ会も益々盛り上がり皆さんの知識も向上します.是非,幹事も含めた知恵の共有にご参加ください.

 次回は年が明けての1月20日(火)です.是非ご参加ください.

今年一年有り難うございました,お元気でまた来年お会いできますことを心よりお祈りしております.良いお年をお迎えください.

     Merry Christmas and Happy New Year !  

                                                                                                   事務局  こたに

f:id:osakacvecho:20141208203423j:plain

f:id:osakacvecho:20141208204326j:plain

f:id:osakacvecho:20141208203444j:plain

f:id:osakacvecho:20141208203509j:plain