OSAKA心血管エコー研究会公式ブログ    HP: http://osakacvecho.com

当会は超音波技術と知識の習得を目的とした研究会で、 実地臨床にすぐに役立てることができるセミナーやカンファレンス形式の自由参加型の勉強会です。

第2回OSAKA心血管エコー研究会6/20(木)終了しました.

 

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今回は本研究会の発起人,椿森先生・浅岡先生による「心エコーの基礎のキソ」です.よく分かりましたね.左心不全から右心不全まで...e’の有用性と,ダメなところ...E/e’はommemらのによって提唱され世界が衝撃を受けました.しかし実際に8-15のグレーゾーンが多いことは皆さんもお気づきのはずです.この問題に対し,本邦でも北海道大学の山田聡先生が牽引し全国規模で多施設共同研究がなされました.それがこのスライド(写真)です.JSUM(日本超音波医学会)Vol.39(4)に掲載されています.E/e'は今やヨーロッパ心臓病学会の心不全の診断フローチャートで基準のひとつとなっている項目です.

今回の講演を聞きながら思ったことを以下に述べます.

最近の心血管エコーの教育の環境は,昔に比べ整ってきました.教科書が潤沢に発売されハンズオンや講習会が広く行われています.それは普及という意味では嬉しいことなんですが,心エコー検査において多くの評価基準や指標,論文などの結果を鵜呑み評価し,システマチックに自分で考えず検査していませんか?たぶん,このブログを読んで戴いている方々はそうではないと思うので,来られていない方に伝えて戴ければ嬉しく思います.

実際の検査現場では多くの疾患があり多くのバックグラウンドを持った患者さんがいるのが事実です.年齢に応じた評価基準を習得しひとつでも異常があれば,どうしてそうなのか?を考えながらあらゆる指標を用いて検査を進めることが心エコーだと私は考えます.皆さん方が心エコーを指導する場合,基本的なことまず教えて下さい.心腔サイズは正常か?心筋は厚くないか?動きは正常か?まずはこんな事からです.ここで疑問や異常があれば,どうしてなのかを多くの計測値や経験から「心臓の今の状態」を総合的に探索し診断することを教えて下さい.そのためには,多くの知識を身につけなければなりません.プラ—べートの時間を少し削って勉強会に行くことや,教科書を読むことは,多くの患者さんを毎日診断することの重大さを考えれば当然のことだと思います.さらにいうと,エコーの知識の多さが異常を早い段階で診断できると思います.
多くのソノグラファーは会社員ですが,医療の一端を担っている独特の業態であることを認識し,知識を深めるためにもこの研究会に少しでも足を運んで戴ければ嬉しく思います.「患者さんのために」です.