■
中規模病院技師
心エコー図検査従事者のための新型コロナウイルス感染対策について
東京,大阪での感染拡大による患者受け入れ施設とは別に,感染患者を公に受け入れていない施設の対応事例として心エコー図検査における以下の感染予防対策を行っています.
感染者が多くない地域では,エコーオーダーについて院内でも臨床側の認識が浅く従来のように簡単にオーダーされるケースがあるのでないかと思います.
オーダーを受ける側の比較的弱い立場の検査技師を守るためにも参考になればと思います.
なお,修正やご指摘など御座いましたらご教授戴けますと幸いです.
近々で報告されておりますように感染経路が不明な感染者が圧倒的に多くなっていることを踏まえCOVID-19流行時の感染対策を講じました.
先行して公示された日本超音波医学会やアメリカ心エコー図学会よりも具体性のある日本心エコー図学会による「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時における心エコー図検査に関わる医療従事 者感染防護と院内感染予防に対する提言」の「超音波検査のトリアージ」を参考に,当院の感染制御部に説明し診療科に周知するようお願いしたことにより,4月20日に病院長から「各学会から提言されている診療行為について、各診療科でご検討いただき、制限(延期または中止)が必要な場合は、患者及び院内スタッフに説明・周知を行った上で実行していただきますようお願いします。」と注意喚起されております.しかし,エコー室は技師が自ら感染予防しないと誰も予防してくれないため,4月7日より以下の予防策を急遽行っています.
検査することによる感染拡大と検査担当者の安全を優先し以下の対応に変更しました.
1.検査室内の常時換気の徹底(安全面を考慮してドアを開ける.窓を開けるなど)
2.超音波検査,肺機能検査,トレッドミル検査の消毒の徹底(患者が(に)触れる器具の消毒)
特に,超音波検査の消毒は,4月6日に公示されたJSEによるCOVID-19 の指針第1報(現在は第2報がULされています)に基づいて行っています.
日本心エコー図学会ホームページ http://www.jse.gr.jp
topページの
2020-04-14【重要】新型コロナウイルス感染症に関する学会からの提言(第2報) からダウンロードできます.
1)超音波ルーチン検査における対応
①.COVID-19感染の疑いが低い場合
変更前
・検査室で検査施行
・サージカルマスク着用
・木綿のシーツと,枕カバーを使用
・検査終了後プローブをスキッドクロス(ベンサルコニウム含有)で消毒(低水準消毒薬)
・大容量のエコーゼリーを継ぎ足して使用(洗浄乾燥毎)
変更後
・事前カルテ確認(疑わしい場合は主治医に連絡し延期あるいは中止の要請)
・検査室で検査施行(変更無し)
・サージカルマスク着用(変更無し)
・ディスポシーツに変更
・ディスポ手袋着用し毎回交換
・検査終了後,プローブと心電図電極を71%以上のアルコール(中水準消毒薬)あるいは0.6%以下の次亜塩素酸ナトリウムで消毒
・終業時には超音波装置パネル,プローブ,心電図電極を71%以上のアルコール(中水準消毒薬あるいは0.6%以下の次亜塩素酸ナトリウムで)で消毒
・個装エコーゼリーの使用を検討中
②COVID-19感染の疑いがある場合
変更後
・基本的には検査は行わないか延期を要請
・隔離部屋で検査を施行
・ガウン着用
・N95マスク着用
・フェイスシールド着用
・サージカルキャップ着用
・ディスポ手袋着用
・プローブはビニールカバーなどで保護
・心電図電極はディスポ電極を使用
・エコーゼリーは必要分事前に用意し廃棄
・検査終了後は超音波装置パネル,プローブ,心電図電極をディスオーパで消毒
感染者を検査する場合,装置の感染対策に日本心エコー図学会からの動画が非常に解りやすく参考になります.
日本心エコー図学会ホームページ http://www.jse.gr.jp
topページの
2020-04-27「感染例/あるいは感染疑い例の心エコーを行う場合の感染予防」の動画が追加されました 内の
「TTE感染対策について」「TEE感染対策について」
から閲覧できます.
■
OSAKA心血管エコー研究会にご参加のみなさまへ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時における感染対策ブログの開始について
近々で報告されておりますように感染経路が不明な感染者が多くなっていることを踏まえCOVID-19流行時の感染対策について,情報を共有したいと思います.
心血管エコー検査を含む,超音波検査は個別の検査室で患者さまに接触して検査を行います.不特定多数の患者さまから感染の危険性を認識し,COVID-19流行時における感染予防策情報になります.
ここでは以下のルール遵守をお願いします.
①個人の誹謗中傷は控える
②政治的な発言や情報発信は控える
③個人情報を含んだ情報の開示は禁止する
④根拠の不確実な伝聞による情報の掲載は控える
⑤匿名で表示する
不明な点などありましたら,以下にご連絡ください.可能な範囲でお答え致します.
http://osakacvecho.com/cardiac/contact.html
なお,有意義な問い合わせに関しては,施設の匿名性や個人情報を配慮したうえで当ブログにおいて情報共有させて戴く場合があります.
注意:ここにあげるCOVID-19対策情報は,各学会による公式な指針や声明を参考にしておりますが,なかには各施設の事情による運用や対応なども含まれている可能性があります.また,世間の情勢によって,現在の対策が過去のものとなる可能性があるため,できるだけ最新の情報を共有されることをお願いします.
心血管エコー研究会代表幹事
小谷敦志
令和元年 OSAKA心エコー研究会始動
令和元年5月16日(木)にOSAKA心エコー研究会が開催されました。
多数のご参加を頂き、誠にありがとうございます。
今年度テーマですが、「OSAKA心エコー研究会のセブンルール、幹事がいつもしている7つのこと」です。会の前半は、研究会幹事が疾患ごとに注意点や要点を7つにまとめて講演を行います。
後半はグレーゾーンに迫る!症例パネルディスカッションです。症例を提示し、研究会幹事とともに病態などを一緒に考えながら学ぶことができる講演です。
次回の開催は6月27日(木)に開催予定しております。
多くのご参加をお待ちしております。
* 今年度より研究会の名称を「OSAKA心エコー研究会」に変更致しました。
平成30年度 第4回 (通算202回)の開催について
9月6日(木)の研究会ですが、開催を予定しております。
交通機関の乱れが発生している可能性がございますので、
お気をつけて、ご参加頂けますようによろしくお願い致します。
<注意事項>
OSAKA心血管エコー研究会 200回記念講演
2018年 6月28日(木)にOSAKA心血管エコー研究会(通算200回記念講演)が大阪府結核予防会8階会議室で開催されました。当日はFIFA W杯 第3戦にも関わらず、多数のご参加を頂き有り難うございました。
1992年から開催されてきた研究会は、26年をかけて200回の節目を迎えることができました。これもご参加頂いたソノグラファーの先生方のお陰です。
また講師の先生方、幹事の先生方、そして何より発起人である椿森先生・浅岡先生のご尽力によるものです。
今後も研究会を通じて、正確な超音波検査を行えるように努力していければと考えております。
<200回記念講演>
演題:川崎病を超音波で診る 八尾市立病院 浅岡 伸光 先生
川崎病について近年増加傾向であることや冠動脈描出のテクニック・Z score projectなどについてご講演頂きました。冠動脈は非常に小さくゲインの設定を低くして計測するなど大変勉強になりました。
演題:visual echoを検証する ハイメディッククリニックWEST 椿森 省二 先生
昨年度の研究会から開催してきたvisualシリーズについて、動画を供覧しながら考えられる疾患・計測値・問題点などについてご講演頂きました。収縮能の低下した心不全症例ではvisualでは限界であり、心拍出量計測の重要であることなど大変勉強になりました。
ご参加を頂いておりますソノグラファーの先生方、今後もOSAKA心血管エコー研究会を何卒宜しくお願い致します。
OSAKA心血管エコー研究会 幹事一同
OSAKA心血管エコー研究会(特別講演)開催報告
10月14日(土)に開催したOSAKA心血管エコー研究会特別講演が無事終了致しました。土曜日開催・天候不良の中、多数のご参加頂きありがとうございました。今年度の研究会テーマは「エコー診断は見た目が大切!」で、特別講演では下記の4演題のご講演を賜りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
演題1 症例発表 再発を認めた左房未分化多形性肉腫の1例
演者 関西労災病院 岩永 大 先生
演題2 僧帽弁位人工弁置換術後早期に人工弁機能不全を呈した1例
演者 桜橋渡辺病院 橋口 遼 先生
演者3 スーパーソノグラファーがエコーで診断した症例
演者 近畿大学医学部附属病院 谷口 京子 先生
演者4 犯人は心臓か,それとも…TRPGが上がる理由
演者 徳島大学 循環器内科 山田 博胤 先生
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
演題1
岩永先生の講演では、左房未分化多形肉腫の一例を報告頂きました。短期間での再発症例で腫瘤形状・内部性状・付着部位などエコーで観察する項目をご説明頂きました。
演題2
橋口先生の講演では、僧帽弁置換術後早期にパンヌス形成・狭窄に至った症例でした。左房側にPISAが形成されている珍しい症例で、弁置換後のエコーでの評価ポイントについてご発表頂きました。
演題3
谷口先生の講演では、収縮性心膜炎(CP)について病態や評価方法を詳細に説明頂きました。吸気時に静脈圧が低下しないKussmaul徴候や心室圧曲線のdip and plateauパターンなど大変勉強になりました。
演題4
山田先生の講演では、「犯人は心臓か、それとも...TRPGがあがる理由」と題して肺高血圧やTRPG測定の注意点、アプローチ方法など大変勉強になる内容でした。また山田先生の楽しいご講演で笑顔が多い会場でした。
山田先生には演題1〜3についても医師の対場からコメントを頂き、勉強になりました。感謝申し上げます。
今年度の研究会は残り2回となりました。幹事一同、多くの方に参加頂き、活発な討論が行われる会に盛り上げていきたい所存ですので、今後も何卒宜しくお願い致します。
大阪中央病院 山本
講演会後の懇親会での様子(ニューミュンヘン本店)